こまつにある2つの日本遺産。
石川県内にある3つの「日本遺産」のうち、2つがこまつにあります(令和元年5月現在)。1つが平成28年度に認定された“『珠玉と歩む物語』小松~時の流れの中で磨き上げた石の文化~”。そしてもう1つが平成30年度に認定された“荒波を越えた男たちの夢を紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~”です。それぞれのストーリーを知ることで、こまつのまちの歴史や文化をさらに深く知るきっかけになるはずです。
『珠玉と歩む物語』小松~時の流れの中で磨き上げた石の文化~
こまつの人々は、弥生時代の碧玉の玉つくりを始まりとして、約二三〇〇年にわたり、金や銅の鉱石、メノウ、オパール、水晶、碧玉の宝石群、良質の凝灰岩石材、水に強く青白い「滝ヶ原石」や湿気に強い黄色の「観音下石」、九谷焼原石の陶石などの石の資源を見い出してきました。 以来、近世に至るまで時代のニーズに応じて、現代の技術をもってしても、再現が困難な高度な加工技術、知識を磨き上げ、人・モノ・技術が交流する、豊かな石の文化を築き上げてきました。
荒波を越えた男たちの夢を紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~
北日本と上方を航路で結び「動く総合商社」と謳われた北前船。一航海で莫大な富を生む商売ながらも「板子一枚下は地獄」の恐怖にさらされており、北前船の船主、船乗りたちは航海安全を神仏に祈願しました。寄港地・船主集落にある神社仏閣の多くは、彼らの心の拠り所でもありました。
こまつには北前船で財を成した邸宅や船道具蔵、銀行社屋が残り、出向前に航海安全祈願をした安宅住吉神社があります。北前船はそれぞれの寄港地の人・モノ・文化を運び、現代に残しました。